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「前田さんに何を聞いたかは知りませんが、私は仕事に私情を挟んだりしてません」
「でも、偏った仕事の指示をしているだろう」
まだ言うか。
目の前の蛇男に段々と腹が立ってくる。
「だったら、戸塚に聞くけど。前田さんは、小野寺と一緒の仕事以外をやりたがらない。戸塚ならどうするのよ?」
私は戸塚を見据えて、言い返す。
「どうするって…」
「私は上司として、部下の仕事の選り好みは困るから、結局、前田と小野寺との接点を少なくするしかないと思わない?」
「それは、お前の個人的な感情も入っているんじゃないのか?」
「ハッ!バカらしい!」
「バカってお前!」
「ああ…すみません。でも、戸塚がバカなこと言うから」
「ハハッ…森園君、すまんね」
「課長!」
明け透けに物を言う私を、二谷課長は笑って許してくれている。
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