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「じゃあ、自分の非を認めるんだな!?」
嬉しそうな表情を隠そうとしない戸塚。私の欠点を見つけて、意気揚々なのだろう。
こいつ…どういう神経してんだろ。
私はご機嫌な蛇男に冷たい一瞥をくれてやる。
公平さを欠く奴が行った聞き取りなんて、調査の信憑性を失いかねない。
そのことを少しは自覚しているのだろうか。
「戸塚君、いい加減にしたまえ」
二谷課長の不機嫌な低い声。
「森園君、悪かったね」
「い、いいえ!」
「話は大体わかったよ。君の聞き取りは以上だ」
「え?」
「そんな、まだ終わりじゃっ…!」
「戸塚君!」
滅多に怒らないことで有名な課長が明らかに怒っていた。
怒鳴られた戸塚の表情が強張っている。私も驚きだ。
「もういいよ。森園君」
「はあ…」
あくまでも私には笑顔で対応する二谷課長。
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