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「ハアー…一体、何なのよ?私は忙しいの!」
すると、チッと舌打ちして、私を睨む戸塚。
「お前のせいで、俺まで異動だ」
「え?」
戸塚が異動? 人事から?
「2か月後に研究センターだ」
「研究センター…へぇ…」
それはまた遠いとこに異動だな。
初耳のことで、ぼんやりとそんなことしか思い浮かばなかった。
だけど、戸塚の表情が険しいものになる。
「へえ…だと?」
「え?だって、知らなかったし」
「嘘つけよ!」
「いや、ほんとに…」
私はキョトンとした表情になる。
何で、こんなに戸塚が怒っているのか、全く解らなかったからだ。
「お前だろ?」
フッと口を歪ませ、戸塚があの蛇のような鋭い目を向ける。
「お前の気に入らない奴は、次から次に異動だ。浜本も、前田も、俺も」
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