7

10/29
前へ
/35ページ
次へ
「ハアー…一体、何なのよ?私は忙しいの!」 すると、チッと舌打ちして、私を睨む戸塚。 「お前のせいで、俺まで異動だ」 「え?」 戸塚が異動? 人事から? 「2か月後に研究センターだ」 「研究センター…へぇ…」 それはまた遠いとこに異動だな。 初耳のことで、ぼんやりとそんなことしか思い浮かばなかった。 だけど、戸塚の表情が険しいものになる。 「へえ…だと?」 「え?だって、知らなかったし」 「嘘つけよ!」 「いや、ほんとに…」 私はキョトンとした表情になる。 何で、こんなに戸塚が怒っているのか、全く解らなかったからだ。 「お前だろ?」 フッと口を歪ませ、戸塚があの蛇のような鋭い目を向ける。 「お前の気に入らない奴は、次から次に異動だ。浜本も、前田も、俺も」 ・
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1502人が本棚に入れています
本棚に追加