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「そんなの会社の方針でしょ?私に権限があるわけないじゃない」
「そうかな?出来すぎだろ?荒木課長と二谷課長は仲がいい。どうせお前が泣きついたんだろ」
「何なのよ、それ。バカじゃないの」
戸塚の根拠のない言い掛かりを聞いてるほど、お人よしじゃない。
私は蛇男を無視して、歩き出した。
「待てよ!」
「ちょっと!」
戸塚に腕を掴まれる。
「俺をバカにするな!」
「いつもバカにしてるのは、あんたでしょ!?」
「お前、ムカつくんだよ!この枯れた女が!」
「--ッ!!」
こいつは、どこまでも私の神経を逆撫でする。
戸塚の手を思い切り振りほどき、私は大きく息を吸った。
そして
「男とか女とか、そんな差別意識持った奴が人事なんて出来るわけないでしょ!?
そんなだから異動になんのよ!!」
誰もいない廊下に、私の吐き出した毒が響き渡る。
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