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「お、小野寺?」
「一度、してみたかったんです」
「はあ…」
よしよしを?
ビックリしたのと、避けると小野寺をまた傷つけそうで、私はなすがままにされていた。
ひとしきり撫でると小野寺は満足したのか、手を下ろし、手摺に腕を乗せて、話し出した。
私もその隣に並び、手摺に背中預けて、寄り掛かった。
「実は、俺、係長が俺の告白を冗談だって流したままにすると思ってました。
それか、俺みたいな頼りない年下男は考えられないって、笑い飛ばされるかと」
「ええ!?」
「いや!係長って、恋愛NGみたいなところあったじゃないですか」
「ああ…まあ…」
否定できない。
それに、岸谷に指摘されなければ、ひょっとしたら、小野寺が言った通りのことをしていたかも…
そう考えると、余計に心苦しくなってきた。
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