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「ったく。負けず嫌いだな…ハハッ」
口を尖らせる私に、岸谷は余裕で笑っている。
くっそぉ!
こいつといると、何故かいつも負けた気分になるのは何故だ!!
「で、どうすんの?あいつ」
「ほっとく」
軽く聞かれて、軽く返す。
さっきまでの怯えなんて、どこ吹く風。
「いいの?それで」
「うん。いろいろと面倒くさい」
また、周りから謂れのない中傷を受けるのはこりごりだ。
「めんどくさいって、お前なぁ…」
「いいのよ。ある意味、あいつの弱みを握っていたほうが危なくない」
「…うーん、ま、一理あるか」
岸谷は渋々と言う感じで納得した。
あんな蛇男に暴力振るわれて怯えてます…なんて、私のプライドが許さない。
確かに暴力は怖かったけど、戸塚に負けたわけではない。
また戸塚が何か言ってきたら、逆にこれを武器にしてやる!
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