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「ともかく!オフだからって、皆の前ではよしてよね!」
「はいはい」
手をうーんと伸ばし、欠伸をする岸谷。緊張感の欠片もない。
「さ!データを確認させて頂戴。ちょっと急ぎなの」
「ほいほい」
明らかに仕事モード解除の岸谷を連れて、私は総務課へと向かった。
総務部のフロアに着くと、何故かざわついた。
何だ?
首を傾げながら、自分のデスクに戻る。もちろん隣には岸谷。
「この方、ホントに岸谷さんだったんですね…」
岸谷をまじまじと見つめながら、堀ちゃんが呟く。
「ブッ!堀ちゃん、何それ?」
私が呆けた堀ちゃんに吹き出すと、岸谷が素で話しかけてくる。
「だって、仕方ないんじゃね? 俺って仕事の時とギャップあるじゃん」
「ああ。そっか」
私も最初はわかんなかったもんね。無理ないか。
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