1504人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
と、話がそれたが、今はそんな場合じゃなかった。
「そんなことどうでもいいから、メモリー早く!」
時間がないのよ!時間が!
「どうでもいいからって……功労者に対して…」
「すみません。ありがとうございます。岸谷さん」
棒読みでお礼を述べ、岸谷の目の前に手を差し出す。
すると、ペチンと軽くその手を弾かれた。
「ダメだな。感謝の気持ちが籠ってない」
「ええ!?ちょっと、急いでるんだってば!」
「じゃ、取引しよう」
「はあ!?」
にやりと不敵な笑いを見せる岸谷。
「デート1回ね」
「はああっ!?」
「いらないの?」
「人の弱みに付け込むなんて、卑怯でしょ!」
「じゃ、いらないんだ?」
「うっ…!」
岸谷は、ピラピラとこれ見よがしにUSBを見せつける。
くっそーーッ!
・
最初のコメントを投稿しよう!