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「そこまで!」
今度は堀ちゃんの『そこまで』
「岸谷さん、こちらは冗談抜きで時間が差し迫っているんです!」
「堀ちゃ~ん」
岸谷を窘める堀ちゃんに私がすり寄ると
「だから、係長とのデートは了解です!」
「ええーっ!?」
何故に堀ちゃんがOK出すのよ!?
とんでもない裏切りだ!
「ちょ!堀ちゃん、酷い!!」
「こっちは切羽詰まっているんですから、仕方ないでしょ。
管理職なんですから、ちょっとぐらいの自己犠牲は我慢してください」
「そんなぁ…!」
「堀さんって、賢いね。はい、交渉成立」
営業スマイルで、岸谷は堀ちゃんにUSBを渡した。
「ありがとうございます」
堀ちゃんも、にっこりと愛想笑いのお返し。
二人とも嘘くさい笑顔で意思疎通。
こいつら、もしや似たもの同士!?
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