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「ホント言うとさぁ…私も岸谷さんに怒られたっていうか…」
「え?岸谷に怒られた?」
「そうなの。恋愛は年齢とか関係ないから、年下だからっていう逃げ口上で振るなって」
「……振られるの前提の話ってのが、ちょっとムカつくけど…」
「え?あ!いや!!」
ちょっと拗ねた小野寺に焦るが、小野寺はさっぱりした表情で「そっかー!」と大きな声を発して背伸びをし、空を見上げた。
「岸谷、髪は黒くなったけど、変わんないなぁ」
「そうなの?」
「はい」
手摺に頬杖ついて、小野寺が思い出話を始める。
「俺って、高校まで太ってたでしょ?だから、やっぱりからかう奴はいるわけですよ。で、その中で段々調子に乗って、エスカレートする奴が出ててきて…」
「ああ…」
そういうことがイジメへと発展する典型だ。
「だけど、岸谷がそいつにキレちゃって」
「ええ!?」
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