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「それが狙いで、伊達メガネかけてんだよ」
「え?あれ、伊達メガネだったの?」
意外に感じ、データ確認している手を止めて、思わず疑問を投げかける。
「そうだよ。お前の前じゃ、裸眼だっただろが」
「仕事では眼鏡かけてたから、コンタクトだと思ってた」
「ホテルマンってのは信用第一だから、落ち着いて見える方が何かと便利なんだよ」
「そうでしょうね。あんたの腹黒さがバレたら、信用なくすものね」
笑顔で嫌味をカマしてやる。
「ふーん…そんなにお互いを知っているんだ…」
「うわっ!」
突然後ろから聞こえてきた声に身体が跳ねた。
「か、課長!」
「あ、おかえりなさーい」
堀ちゃんは、呑気な口調で課長を出迎える。
課長は、冷めた目をしているけど、あくまでも笑みを崩さない。
こっちまで嘘臭い笑顔だよ!
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