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「俺が全裸にされそうにになった時、岸谷がそのリーダー格の首根っこ掴まえて、投げ飛ばしたんです。『こういうのが、一番ウザいんだよ!』って」
「うわー…なんか似合わない…」
ポロリと本音が漏れる。
岸谷のあの冷静沈着なキャラを考えると、そんな正義感溢れる熱い行動をとるなんて、ちょっと想像がつかない。
他人のことなど我関せずってタイプだと思っていた。
「アハハ!係長、岸谷の事、よく解ってますね。
そうなんですよ。あいつが他人にそんなお節介するの、似合わないでしょ?」
私は素直に頷いた。
「現にあいつって、金髪で目立ってはいましたけど…あまり人を寄せ付けなかったんです。
だから、余計にクラスの奴ら、キレた岸谷にビビっちゃって。で、俺もからかわれることなくなって、助かったんです」
「へぇ」
岸谷の意外な一面に、無意識に声が出る。
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