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「男に対して、すっげー不信感があるよな」
岸谷の指摘に言葉が出ない。
「まあ、お前に反感持ってる男が周りにいたりするから、仕方ないかもしれないけど…」
戸塚のことを言っているのだろう。
岸谷は頬杖ついたまま窓の外に視線を向け、独り言のように言葉を続ける。
「何がそんなにすずを頑なにさせたんだ?…よっぽど、ろくでもねー男とつきあったんだなぁ」
「ぐっ…」
クリーンヒットな発言に、ドリアが喉につかえそうになる。
ほっとけよ!
言い返したいけれど、口の中がもごもごしていて声を発せない。慌てて水を飲む。
岸谷は私に視線を戻すと、溜息交じりに零す。
「ホントにさぁ、俺から見ると、すずって危なっかしくて…」
またも言われた『危なっかしい』
どうして岸谷がそう思うのか、凄く不思議。
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