9 #2

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9 #2

「カッコいいじゃん!」 「ハアー…女って横文字の職業に弱いよな」 目を輝かせた私を、冷たい視線で一瞥する岸谷。 すみませんね。ミーハーで。 「ねえ?小野寺に聞いたけど、家族はお母さんと二人だったんでしょ?」 「あいつ、個人情報保護法ってのを知ってんの?勝手に人のことペラペラと」 「あんただって、堀ちゃんから私の個人情報、勝手に聞き出してんじゃん。人の事言えないでしょ」 「フン!俺の場合はきちんとした段取り踏んでる」 どこがだよ! 「とにかく!お母さん、デザイナーで身を立てているってことは、一流デザイナーってことでしょ。凄いじゃない」 憧れのキャリアウーマンって奴だ。 「凄かねーよ。食べれるようになるまで、鬼のように貧乏だったぞ。うちは」 「ふーん…」 じゃ、やっぱり苦労したっていうのは本当なんだ。 ・
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