one night Ⅱ #2

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漸く唇が解放され、大きく息を吸込んだ。 その瞬間 「ひうっ!」 ガシッと胸を強く掴まれ、脳に突き刺さるような衝撃が突き抜ける。 思わず背中が弓なりに仰け反り、その反動で身体がぐわんとソファーに沈む。 「…ヤメ…て…」 たったこれだけのことなのに、すでに呼吸が乱れる。 掴まれた胸が痛いのか。 高鳴る心臓が痛いのか。 私を見下ろす男の冷たい眼差しに身震いする。 「やっぱりな…」 眼光はそのままに、口の端だけで笑う男。 そして、今度は腕を掴まれ、浮き上がる身体。 「な、何!?」 「ここじゃ狭い」 男は私を担いで、ベッドまで連れてゆく。 予測不可能な行動に、私は全く対応できない。 「きゃあ!」 広いベッドに放り投げられ、弾んだ身体が落ちないように、咄嗟に布団にしがみついた。 ・
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