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one night Ⅱ #2
「ちょ、ちょ、ちょ、あのっ!」
跨ってきた男の体重が掛かってきて、身体を倒さざるを得ない。
「今更逃げられないよ」
「わ、わかってるって!でもっ……ん!」
柔らかな感触が唇に重なる。
ああ…久しぶりだ。この感じ…
狼狽えながらも頭の端でそんなことを思う自分が欲求不満のように思えて、恥ずかしくて身体が強張った。
すると、ゆっくりと離れてゆく唇。
「緊張してる?」
そう尋ねられて、素直に無言でコクコクと頷いた。
だって、なんてたって3年ぶりな訳だし!
キスだけで緊張してるし!
大丈夫?私!
ホントに大丈夫!?
きっと、私の表情もさぞや強張っていることだろう。
不安一杯で、愛想笑いさえ出来ない。
「フッ…いいねぇ…その顔」
目を細めて、男が舌なめずりしながら呟いた。
その妖しさにゴクリと喉を鳴らす。
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