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「結局、私には言えないことなんでしょ?なら、別にいいわよ」
「違う…!話すには、ちょっと複雑な事情があって…」
「だからさ、何の関係もない私に説明する必要なんてないから」
「…何で、そういう言い方するんだよ?」
「私はもともとこういう話し方する女なの」
睨み合う二人。
可愛げない口のきき方をするのは、私にはお手の物。
「大体、私の仕事の邪魔はしない約束だったでしょ。仕事の最中にこんなことはやめて。反則よ」
「…つくづく仕事が好きな女だな」
「お陰様で」
フンと顔を逸らし、岸谷の横を通り過ぎようとした。
しかし、もう一度掴まれる腕。
「だから!…んん!」
文句を言う前に塞がれた唇。
ドンドンと岸谷の胸を叩く。
すると、手を掴まれ、壁に押し付けられて、逃げ出せない。
くっそ!
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