11

6/21
前へ
/35ページ
次へ
「結局、私には言えないことなんでしょ?なら、別にいいわよ」 「違う…!話すには、ちょっと複雑な事情があって…」 「だからさ、何の関係もない私に説明する必要なんてないから」 「…何で、そういう言い方するんだよ?」 「私はもともとこういう話し方する女なの」 睨み合う二人。 可愛げない口のきき方をするのは、私にはお手の物。 「大体、私の仕事の邪魔はしない約束だったでしょ。仕事の最中にこんなことはやめて。反則よ」 「…つくづく仕事が好きな女だな」 「お陰様で」 フンと顔を逸らし、岸谷の横を通り過ぎようとした。 しかし、もう一度掴まれる腕。 「だから!…んん!」 文句を言う前に塞がれた唇。 ドンドンと岸谷の胸を叩く。 すると、手を掴まれ、壁に押し付けられて、逃げ出せない。 くっそ! ・
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1314人が本棚に入れています
本棚に追加