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帰ろうと言って連れてこられたのは、マンションの一室。
課長の自宅だ。
だから、正確には、私は帰っていないことになる。
「やっぱり、微熱があるな」
私のオデコを触って、今計った体温計を見る課長。
いいのかなぁ…? 上り込んじゃったけど…
というか、課長の服まで借りて、ベッドに寝かされてしまって。
具合が悪い私を一人に出来ないと、半ば強引に課長宅に引っ張り上げられた。
「薬、飲むか?」
「いえ…吐き気もするから…飲んでも吐いちゃいそうで…」
「そうか。今流行っている風邪は胃腸に来るって言ったしな」
「そうなんだ…」
だから、こんなに胃がムカムカするんだ。
きっとそうだ。
私が男一人のことで体調崩すなんて、あり得ないし。
あー…また…何で、そんなこと考えるかな。私…
不毛な思考がぐるぐるしてる。
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