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「ほら、ゆっくり寝てろ。俺はあっちで寝るから」
「え?」
「え?」
二人で間の抜けな顔をして見つめ合う。
「あ!いや、そっか。私がここにいるからか!」
慌ててベッドから降りようと足を下ろすと、課長が私の肩を掴んで止めた。
「お前は病人なんだから、ベッドで寝ろ」
「でも…!」
「でもって言われても。さすがに一緒に寝るのは、俺の理性が持たないし」
「わ、わかってますよ!てか、そういうことじゃなくて!」
「解ってるよ。とりあえず、今はお前の体調回復が優先。これからドンドン忙しくなるんだから、早く治ってもらわないと。だから、四の五の言わずに寝てなさい」
そう言うと、課長は私の身体を押して、ベッドへと戻した。
「…すみません」
布団で顔を半分隠して、縮こまって謝る。
何から何まで甘えちゃって面目ない。
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