11

18/21
前へ
/35ページ
次へ
「ほら、ゆっくり寝てろ。俺はあっちで寝るから」 「え?」 「え?」 二人で間の抜けな顔をして見つめ合う。 「あ!いや、そっか。私がここにいるからか!」 慌ててベッドから降りようと足を下ろすと、課長が私の肩を掴んで止めた。 「お前は病人なんだから、ベッドで寝ろ」 「でも…!」 「でもって言われても。さすがに一緒に寝るのは、俺の理性が持たないし」 「わ、わかってますよ!てか、そういうことじゃなくて!」 「解ってるよ。とりあえず、今はお前の体調回復が優先。これからドンドン忙しくなるんだから、早く治ってもらわないと。だから、四の五の言わずに寝てなさい」 そう言うと、課長は私の身体を押して、ベッドへと戻した。 「…すみません」 布団で顔を半分隠して、縮こまって謝る。 何から何まで甘えちゃって面目ない。 ・
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1314人が本棚に入れています
本棚に追加