10 #2

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「そんなことない…!あの時、本当に総務はゴタゴタとしてて…課長は一生懸命頑張ってて…!」 「違う。俺は…」 課長が机の上でギュッと握り拳を握る。 「カミさんの排卵日はわざと遅くまで残業して……そして、勝手にお前を共犯者にした。お前との残業は、カミさんへの罪悪感を誤魔化すことが出来て……ホッとしてたんだ…」 「課長…」 どうしよう。 どうしたらいいんだろう… 苦しむ課長を見ていると、どうにかしてあげたいと思う。 だけど、そんなこと私には出来ない。 「だけど、それが…あんなことになるなんて…思わなかった」 「あんなことって…」 浜本と私の別れのことを言っているのだろう。 「違います。それこそ課長のせいじゃない」 すると、今度は課長が首を横に振る。 「浜本に……浜本に聞かれたんだ…」 「え?」 浜本に…? ・
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