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「そんなことない…!あの時、本当に総務はゴタゴタとしてて…課長は一生懸命頑張ってて…!」
「違う。俺は…」
課長が机の上でギュッと握り拳を握る。
「カミさんの排卵日はわざと遅くまで残業して……そして、勝手にお前を共犯者にした。お前との残業は、カミさんへの罪悪感を誤魔化すことが出来て……ホッとしてたんだ…」
「課長…」
どうしよう。
どうしたらいいんだろう…
苦しむ課長を見ていると、どうにかしてあげたいと思う。
だけど、そんなこと私には出来ない。
「だけど、それが…あんなことになるなんて…思わなかった」
「あんなことって…」
浜本と私の別れのことを言っているのだろう。
「違います。それこそ課長のせいじゃない」
すると、今度は課長が首を横に振る。
「浜本に……浜本に聞かれたんだ…」
「え?」
浜本に…?
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