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「浜本にも、俺とお前のでっちあげの不倫の噂が耳に入ったんだろう。『森園とは本当に関係はないのか』ってな」
「う、そ…」
そんな話は浜本からも聞いておらず、驚きの声が漏れる。
「カミさんにも同じことを聞かれたばかりだった。どいつもこいつも最悪だと思った。相手から信じて貰えてないってことがどんなに傷つくことなのか解っちゃいない…
だから、ムカついて、こう答えたんだ。『お前は森園をどう思うんだ?お前が思う通りじゃないのか』って…でもそれは、浜本を余計に疑心暗鬼にさせただけだったんだと思う…」
ああ…私と浜本は、別れるべくして別れたんだ…
課長の話を聞いて、やけに納得した。
どんなに疑心暗鬼になろうと、どうして私に直接確かめようとしなかったのか…
結局、私と浜本の間に、既にどうしようもない溝が出来ていたってことだ。
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