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「課長…それは、私と浜本の問題です。結局、私達の信頼関係が脆かったってだけ…だから、自分を責めないでください」
「お前はホントに…」
課長はスッと手を伸ばし、テーブルの上にあった私の手を握った。
「あ、あの…」
手を重ねられ、気恥ずかしくて、顔が赤くなる。
「お前が浜本と別れた時、本当に申し訳ないと思った。その上、あの男は別の女とさっさと結婚までして…
だけど、お前は強かった。周りの心無い言葉にも泣き言一つ言わず、歯を食いしばって仕事をしていた。俺は…お前が眩しかったよ…」
ぐっと力を籠めて握られる手。
岸谷とは違う大きな手。
「そして、カミさんは気付いた。俺の気持ちの変化を……
俺を信じなかったカミさんを責められない。例え、不倫と言う事実は無くても、俺がカミさんを裏切っていたには変わりない」
待って…
ちょっと待って…
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