11 #2

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11 #2

「森園……俺はイキイキと仕事をしているお前が好きだよ」 仕事人間の私を誰よりも見てきた人だ。 きっと、どんな男性よりも私のことを理解してくれる。 私の頬を優しく撫でる手。 ああ…この手を取れば、私は楽になるのかな… 狡いのは解ってる。 だけど、女一人で強がって生きるのに、正直疲れてる。 気怠い身体が救いを求めてる。 「……本当に、私でいいんですか?」 「お前がいいんだよ」 課長の手に自分の手を重ね、ギュッと握る。 ゆっくりと瞬きをすると、瞳から涙がポロリと一粒だけ零れ落ちた。 「もう泣くな。俺が傍にいる」 「…はい」 目を瞑る。 優しいキスを受け入れるために。 安らぎを得るために。 私は選んだ。 この手の温もりを。 心の隅っこに涙の理由を隠して。 ・
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