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怖い…
凄く怖い…
もう一度、水を飲む。
言えるかな…
違う。
絶対に言わないといけないんだ。
懸命に自分に言い聞かせる。
言わなければならないことを、何度も何度も頭の中で繰り返す。
すると、ドアが開いて、課長が顔を見せた。
「おう。待たせて、すまん」
「いえ」
「あれ?飲んでないの?」
「いや…胃の調子がまだ…」
「ああ…そっか」
「はい。だから、課長は飲んでくださっても…」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
課長は店員を呼び、ビールと適当に食べ物を頼んだ。
オーダーがテーブルに揃い、ネクタイを緩め、シャツのボタンを一つ外した課長。
「お疲れ」
「お疲れ様です」
課長はビール、私はオレンジジュースでコチンと乾杯。
リラックスムードになる課長とは反対に、私の緊張は尋常じゃなく高くなってゆく。
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