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意味深な注意書きに目を奪われる。
「……一体どういう状況なんだよ?」
メモを見た課長の表情も強張っている。
もう一度、メモに視線を落とす。
最後に会った時のことを思い返すと、嫌な予感しかしない。
別れ際のお嬢様と岸谷。
ひょっとして、あの後に何かあったのだろうか…?
「明日、岸谷の所へ一緒に行こう」
「それは私一人で…」
「…お前、あの日のことが引っ掛かっているんだろ?」
「それは…」
「俺も、だ。勘だけど…お嬢様が関わっているから、皆、口止めされてるんじゃないか?」
もし、お嬢様が関わっていたら…
脳裏に過る、錠剤とリストカットの傷跡。
ぞわりと寒気が走る。
「だとすると、お前一人で行かせるのは心配だ。お嬢様がいるかもしれないし。お前は今、身重の身なんだ。何かあったら…」
課長が心配してくれるのは有難いけれど…
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