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「お久しぶりです」
「やあ！森園さん」
「わざわざお越しいただきまして、ありがとうございます」
タイムスケジュールを追いながらも、関係各位への挨拶も交わさないといけない。
本来なら退社の挨拶をしたいところだが、私の退職は社内でも極秘扱い。
なので、心の中で退社の挨拶。
なるべく人知れず、すっと消える…というのが私の希望だったから、送迎会も見送りも何もかも無し。
堀ちゃんは凄く不満そうだったけど。
だから、今日の記念式典が仕事納めだと知っているのは総務課メンバーと上層部のみ。
私の希望を配慮してくれた会社に感謝。
きっと、課長の尽力のお蔭だろう。
そして、招待客向けの講演会も祝賀会も、大盛況で滞りなく終了した。
とうとう私の仕事は終わりを迎えた。
大きな会場内は撤収作業を行うまばらな人のみで、さっきまで大勢いたお客様の姿はいなくなった。
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