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「いや~ん!凛くん、超可愛いー!!」
とてとてと覚束ない足取りで歩く目の前の小さな男の子に、胸がきゅんきゅんしてしまう。
可愛い!
すっごく可愛い!!
だけど……
「ホント、あの人に似てますね…」
「フフフ…堀ちゃんもそう思う?」
そう言って、愛しそうに我が子を見つめる森園係長。
「こらこら、凛。それはダーメ!」
「う~…」
ティッシュの箱へ手を伸ばそうとした凛君を、係長はひょいと箱を持ち上げて阻止。
唸りながら、手を伸ばす凛君。
「隙みせるとティッシュをこれでもかってくらい散らかすんだよねぇ」
そう言って、係長は笑顔で我が子を抱き上げた。
凛君は切れ長の瞳が印象的で、とても綺麗な顔立ちをしている。
こんなに小さいのに、あの憎き男そっくりだ。
なんだか悔しい気分。
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