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「ここまで似てたら、父親だって疑う余地がないよなぁ…」
口を尖らせて呟くと、係長は苦笑い。
「やっぱり、あいつが父親なのが不満?」
「いやぁ…まあ…そのぉ…凛君はそりゃあもう、超可愛いんですけど…」
「アハハ!正直だなぁ…堀ちゃんは」
渋い表情を作ると、係長は凛君を抱っこしたまま、大きな声を上げて笑った。
「私もなーんであんな男に惚れたんだか、ねぇ?」
係長が首を傾げると、凛君も真似て、首を傾げる。
微笑ましい母子の姿に、胸がキューンとときめいてしまう。
「いやーん!すみません!写メ、写メ撮らせてくださいっ!」
「この前も無茶苦茶撮ってたじゃん」
「だって、だって、やーん!可愛いんだもん!やーん!」
「……堀ちゃん、凛に会うと人が変わるよね」
呆れる目線を送っている係長をスルーして、私はゴソゴソとバックから携帯を取り出した。
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