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眠れない夜に one night side H #2
「まあ、でも、小野寺さんや課長は私の中では大丈夫な人達ですね」
「大丈夫な人?」
「私、基本的に男嫌いなんで」
「え!?それって…」
「……違います。そっちの趣味はありませんよ」
目を細めて、速攻否定。
係長は申し訳なさそうに苦笑いをして、小さくなった。
「まあ…自分で言うのもなんですけど、この見てくれで、苦労せず男は寄ってくるので」
「だろうねぇ」
うんうんと頷く係長。
こんなこと言って嫌味と受け取らないから、係長と話すのは気が楽だ。
「で、付き合ってはみたものの、男に幻滅するばかりで…」
「だけど、その中で良い人もいたでしょ?」
「いないです。だって、一番良いと思った人は、最後にはストーカーに成り下がりましたから」
「ええっ!?」
目をパチクリさせて、係長は驚きの声を上げた。
「お陰で、男が心底嫌いになりました」
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