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「えー!だって、係長は初対面の岸谷さんと…」
「そ、そうだけど!そうだけども!行き当たりばったりっていうか。事故っていうか。たまたまだったわけで」
「だったら、私にも可能性が…」
「ダメー!私の真似しちゃダメ!堀ちゃんは、私と事情が違うでしょ!事情が!」
手をぶんぶんと振り、真っ赤になって目くじら立てる係長。
その姿がなんとも滑稽で、私は吹き出した。
「アッハッハッハッハ!係長、そんな焦んなくても」
「………人が真剣に言ってるのに」
口を尖らせ、拗ねる係長。
「はいはい。私にとって係長は絶対ですからね。ちゃんと考えてみます」
「それなら、よし!」
二人で微笑み合い、カチンとグラスを当てて乾杯した。
その後も夜が更けるまで、他愛の無い会話で、大いに盛り上がった。
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