眠れない夜に  one night side H #2

10/18

2894人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
「えー!だって、係長は初対面の岸谷さんと…」 「そ、そうだけど!そうだけども!行き当たりばったりっていうか。事故っていうか。たまたまだったわけで」 「だったら、私にも可能性が…」 「ダメー!私の真似しちゃダメ!堀ちゃんは、私と事情が違うでしょ!事情が!」 手をぶんぶんと振り、真っ赤になって目くじら立てる係長。 その姿がなんとも滑稽で、私は吹き出した。 「アッハッハッハッハ!係長、そんな焦んなくても」 「………人が真剣に言ってるのに」 口を尖らせ、拗ねる係長。 「はいはい。私にとって係長は絶対ですからね。ちゃんと考えてみます」 「それなら、よし!」 二人で微笑み合い、カチンとグラスを当てて乾杯した。 その後も夜が更けるまで、他愛の無い会話で、大いに盛り上がった。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2894人が本棚に入れています
本棚に追加