眠れない夜に  one night side H #2

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そして、朝、お別れの時間。 「寂しいなぁ…」 「また遊びにおいでよ」 「はい」 私は身支度を整えながら、元気よく返事をする。 凛君が私の足元へやってきて、手を伸ばして、抱っこをせがむ。 「凛くーん」 抱っこして、頬をすりすり。 ぷにょぷにょの肌触りが堪らない。 「やーん。可愛いなぁ。お持ち帰りしたい!」 「フフフ…それはダーメ」 私の元から、ふわりと凛君を抱きあげた係長。 「この子は、私の希望の光だから」 我が子を見つめる瞳は、愛おしさに溢れている。 そっか……係長はちゃんと幸せなんだな… 私は、未婚の母になった苦労ばかりを気にしていた。 係長は損をしてるって、どこか不憫に思っていたんだ。 だけど、苦労はあるかもしれないけれど、係長はその中にある幸せをきちんと見つめて、前へと進んでいる。
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