眠れない夜に  one night side H #2

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そして、あの男も… 「係長…」 「ん?」 「もしよかったら……」 私はバックの中から一枚の紙を差し出した。 「何、これ?」 「私の知り合いのところ……寿退社する人がいるらしくって、その穴埋め人員を探しているんですって」 連絡先を受け取った係長は、じっとその紙を見つめる。 そして、苦笑いしながら、私に尋ねた。 「これって……ホントに堀ちゃんの知り合い?」 「は、はい」 「嘘でしょ」 「え?いや…!」 「堀ちゃん、嘘つく時、瞬きがちょっと多くなるんだよね」 ドキッとしてしまい、私の瞼は懲りずにパチパチと瞬きしてしまう。 「これ…改でしょ?」 さすが係長。 一発で見抜いてしまった。 「ハアー…自分が紹介したって知ったら、係長は素直に受け取らないだろうからって…岸谷さんが…」
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