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「でも…私の岸谷さんに対する意地なんてどうでもよくて……」
大切なのは、二人の未来。
だから、係長にとってはプラスとなる岸谷指令を全うできず、無念でがっくり肩を落とす。
すると
「ここって、近くに保育園あるかな?」
「え?」
「子供預ける場所が近場じゃないと不便でしょ?」
凛君を抱っこしたまま、係長は紙をピラピラさせて、にんまり笑う。
「私も意地張ってる場合じゃないもん。この子のためにも、ね?」
「係長ぉ…!」
憎いセリフに、がっつり胸きゅん。
何で、この人、こんなにカッコいいんだろう!
女にしとくの勿体ない!
思わず、凛君を抱いている係長ごとガバっと抱きつく。
「係長、大好きです!」
「ありがと。堀ちゃん」
お礼の言葉とともにポンポンと私の背中を優しく叩く。
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