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「恐怖心はないけど、男性不信にはなった訳だ」
「そうですね」
私は頷き、ビールをくいっと飲み上げる。
「あれ?でも、これと同じようなこと、どこかで聞いたことあるような…」
係長は腕組みして、考え込む。
「あ!小野寺だ!」
ポンと手を叩き、声を上げた。
「小野寺も女性不信って言ってたじゃん!」
「ああ…そういえば…」
小野寺さんは、昔、太っていて全然モテなかったのに、痩せた途端、掌返した女性達に不信感を募らせたって吐露していた。
「二人ともモテた故に起きた悲劇だよねぇ…」
「…皮肉なもんですよ」
「でもさ、そういう意味では、小野寺が一番、堀ちゃんに近いかもね」
「え?」
「恋愛の感覚がさ」
何気に言った係長の言葉。
私はその言葉にハッとした。
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