眠れない夜に  one night side H #2

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「恐怖心はないけど、男性不信にはなった訳だ」 「そうですね」 私は頷き、ビールをくいっと飲み上げる。 「あれ?でも、これと同じようなこと、どこかで聞いたことあるような…」 係長は腕組みして、考え込む。 「あ!小野寺だ!」 ポンと手を叩き、声を上げた。 「小野寺も女性不信って言ってたじゃん!」 「ああ…そういえば…」 小野寺さんは、昔、太っていて全然モテなかったのに、痩せた途端、掌返した女性達に不信感を募らせたって吐露していた。 「二人ともモテた故に起きた悲劇だよねぇ…」 「…皮肉なもんですよ」 「でもさ、そういう意味では、小野寺が一番、堀ちゃんに近いかもね」 「え?」 「恋愛の感覚がさ」 何気に言った係長の言葉。 私はその言葉にハッとした。
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