眠れない夜に  one night side H #2

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「上手く言えないんだけど……嵌ったっていう感じ?」 「嵌った?」 「そう。ほら、パズルのピースみたいに形がピッタリ合うっていう……そんな感覚に近いかな…」 係長は頬を赤らめながら、照れ臭そうに応えた。 「そんなピッタリだなんて思えること、あるのかなぁ?」 「…うーん……どうだろう?」 私が首を傾げると、係長まで首を傾げる。 「え~!だって、係長はぴったりって思ったんでしょ?」 「だ、だって、私だって、そんな感覚初めてだったし」 真っ赤になって恥らう姿は、とても三十路を過ぎた人とは思えず、可愛らしい。 やっぱり、岸谷さんのこと好きなんだなぁ… 係長の岸谷さんに対する言動を見ていると、つくづくそう思う。 でも、もし二人ともがそんな風に感じていたならば、お互いが唯一無二の存在だったということだ。 つまり、運命の人。
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