眠れない夜に  one night side H #2

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「…えっとぉ…………」 だけど、言葉に詰まり、俯き、黙り込んでしまう。 すると、係長は穏やかな口調で話しかけてくる。 「堀ちゃん…無理しないでいいんだよ? 人に言えないことなんて、誰にでもあるもの。私だってそうだったし…」 「いえ!本当は聞いてほしいんです!だけど…!」 どう思われるか不安で、口に出せない。 「堀ちゃんが私の味方でいてくれたように、私もどんなことがあろうと堀ちゃんの味方だよ。だから、言える時が来たら教えて。ね?」 「…係長ぉ……」 私の手をそっと握り、優しく微笑む係長。 ああ…!やっぱり、係長、無茶苦茶大好き! 係長が男だったら、本当に良かったのに!! 何度、そう思ったことだろう。 きっと、係長なら、きちんと聞いてくれる。 ここまできたら、話そう! 私は、ごくんと生唾を飲み込み、意を決する。
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