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ようやく長いキスが終わったかと思うと啓太は俺の首に腕を回したまま、微笑んだ。
「和希…もっと俺を信じて。俺いつも和希を想ってる、なかなか会えなくても隣に居られる時間が短くても…好きなのはいつだって和希だけだから、和希しか見てないから」
「啓太…」
俺は半ば降参したような気持ちでうっすらと笑みを浮かべると、啓太も安心したように微笑む。
「…で、結局さっきのあの子は誰なんだよ。まさか浮気相手とかじゃないよな?」
「か~ず~き!俺の話聞いてた!?」
「ははっ冗談だって」
蝉時雨はいつの間にか止んでいた。啓太のお説教を聴きながらハンドルを握って車を発進させる。
叶うならいつも、その瞳の中に俺を映していたい。
夢中になるのはいつだって、俺のほうなんだから。
END
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