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ズバァン!
自分の発動した魔法が魔王に当たる。
魔王はすでにぼろぼろで、今の一撃によってほとんどの体力がなくなっただろう。
「グフ……。まさか人間にも……こんな化け物みたいな……強さの奴がいるとは……。」
この言葉を最後に魔王はこの地を去った。
人類の希望とも言われた最強の魔術師、グランが勝ったのだ。
「終わったか……。」
魔王によって何百年も苦しんできた日々は今日で終わる。
もう一度言う。人類は勝ったのだ。
「うぐ……。」
とても叫びたかったが、魔王から受けた傷が深くて簡単には行動できない。
グランは自分の放った一撃によって魔王が倒れたことに喜んだ。
しかし、その直後に悲劇は起こった。
戦っていたこの広間の床が突然、光始めたのだ。
よくみると、それは魔法陣。しかも、グランの見たことがないような不思議な魔法陣であった。
逃げようと思ったが、体が動かなかった。
先程のとんでもない闘いで疲れきってしまって力が入らないのだ。
「た……助け……。」
グランの声は最後まで続かなかった。
光が強くなり、グランは意識を失う。
そして、光が弱まったとき、彼の姿はどこにもなかったのだ。
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