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「でも、残念!!ご愁傷さまです☆君はある理由で死んじゃったんだ!!」
目の前には全く知らない少女が、俺の事を見上げていた。手には傘。そうだ。雨が降ってたんだっけ。
「君聞いてる??」
「あ。うん。」
「死んじゃったんだよ??驚かないの??」
別に驚きはしなかった。あー、そうなんだと。
さっきまで踏み切りを渡ろうとして、雨は降ってたけど手に傘なんてあったっけ??
そしてそのあと……
思い出そうとすると思い出そうとした所が黒く塗りつぶされたように何も思い出せなくて。
凄く不思議な感覚だ。
「君はこの世界で死んだ時のことを思い出してもらうよ!!」
欠落した記憶。なんで傘を持っている??
どうして死んだ??踏切はいつ鳴ったんだ??おかしい。何かがおかしい。疑問。問う自問自問疑問自問自答疑問……。
そこで一度記憶が途切れ、次、目が覚めた時はある一室のベッドの上で自分が何をしたらいいのか、大体頭に入っていた。
「……。これが俺の能力だから。」
そして今日も折れない傘を振るう。今日も天気は晴れ。
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