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「行くよ、詩」
先輩はガタっと立ち上がり私の手を引く。
私はいつかの夏休みの日と同じように精一杯足を踏ん張る。
それでもズルズルと地味に動く私の体。
ここを動いたら、実地が待ってる。
とてもじゃないけどそんな準備なんてできてない。
死ぬ気で頑張れ、私!
顔に血が昇りつつ頑張っていると先輩のため息が聞こえた。
「……また担いじゃうよ?
それとも今度は横抱きで校内練り歩くのがいい?」
どっちも楽しそうだな?と黒く笑う先輩。
「ぐっ……」
やっぱり私の意思は通らないように出来てる。
諦めにも似た気持ちで、というか絶望をかかえつつ抵抗する力を抜いた。
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