出会ったのは。

3/6
前へ
/551ページ
次へ
「コッペパン一つくださいな、 あんパン一つ、くださいな♪」 「コッペパンどこー」 「あなーの開いた蓮根さん♪」 「だから違うってば、歌詞ごっちゃになってるー」 毎回毎回優しい美佳は同じ突っ込みを入れてくれる。 どうしてもこの歌は最後はお弁当箱の歌になる。 なんか小さい頃に刷り込みでも受けたんだろうか。 もう歌詞もおぼろげになって鼻唄を歌いながらいつも食べる中庭に向かおうとすると、 「なぁ」 上から声が降ってきて、隣からきゃっ!なんていう可愛らしい美佳の悲鳴まで聞こえてきた。
/551ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1056人が本棚に入れています
本棚に追加