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遅れて私も顔を上げると階段の手すりから身を乗り出してこっちを見ている人。
あ……この人、知ってる。
いつでもどこでも、女子の塊の中心にいる先輩。
甘いルックスに潜むほんの少しの強引さがいいって、クラスの子が言ってた。
ホントに綺麗な顔。
特に目がキラキラしたビー玉みたいで吸い込まれそう。
「ねぇ、今歌ってたの、どっち?」
ぽーっとその瞳に見とれていると先輩が言葉を続けた。
歌ってたのって、今の………お弁当箱の歌のこと?
「は……ハイ、私です」
おずおずと右手を上げる。
へったクソな歌歌いやがって、って感じ……、かな。
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