第二話

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 本部には往復が自力で可能な通常勤務者よりも、遠方からの住み込み勤務者の方が多く、実に全体の八割も占めていた。 ほとんどの場合は自己志願だが、詳細な職務を明かせないために、誤解を生みやすかった。例えば実際にあった例を挙げると、入社には複数の条件があり、入社してからも規則が厳しいために刑務所のような更生施設だと勘違いした親に、必ず行くように推し進められて強引に入社したこともあった。  ちなみに入社時の条件は、人に自慢できる能力があるか、趣味はどれくらいの期間まで続けられたか、今までの経験から何を学んだか、遺体捜査官という職業をどう思うかなど、簡単な質問がいくつか設けられていた。
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