甘いきっかけと苦い出会い

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「2人ともこれからどうするんだい?」 メンシェルはコーヒを飲み、私たちの方を見た。 「私はもう一年、残って経済学の勉強する。実家のパン屋を継ぐんだったらちゃんとしたいし。」 「そっか…。未来は?」 メンシェルの愛佳の視線が私の方へ向いた。 「私は…パリを出る。 日本へ帰って働く。」 愛佳は目を見開きメンシェルは残念そうな顔をした。 「やっぱりそうか。もったいないな、未来ほどの実力があればパリでも充分働けるのに。」 「未来、パリ…出ちゃうの?」 愛佳は泣きそうな顔をしている。 「うん…。もう、ひとつ仕事が入ったの。いい機会だし、自分の実力は日本で生かしたい。」
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