雪の日の別れ

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ピリリリ…ピリリリ… 寝ていると誰かからの電話が来た。 もしかして、メンシェル…? 携帯を見てみるとなんと、昇太からだった。 「ウソ…」 電話…出づらい。 あんなことがあって、日がたってないのに。 ピリリリ…ピリリ… そうこうしてるうちに、切れてしまった。 「どうしよう…?」 急用かもしれないし、かけ直したほうが良いよね。大丈夫、普通に接すればいいんだから。 電話をかけると、すぐに出た。 「もしもし?」 朝だからか、緊張しているのか声がカスカスになる。 「ごめんな、こんな早くに。」 「ううん、いいよ。」 日はたっていないけど、声を聞くのは久しぶりのように感じる。 「話したいことがあるんだ。いつ会える?」 「今日…のほうがいいかな。」 明日にはもう、私は旅だつ。今日は忙しいけど、1時間だけなら会えるかな。 「わかった。都合良くなったら、メールでもして?」 「うん、わかった。」 「ん、じゃあな。」 そう言って、切れた。 私も話さなきゃいけない、外国に行くことを。
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