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未来との電話が終わり、俺は荷物の整理を始めた。
俺は明日、旅だつ。行き先は…まだ決めてない。でも、貧困の国へ行くつもりだ。そこで色んなことを学んで今後の会社にいかす。
コンコン…
と、ノックがされた。
「社長、私です。」
「入れ。」
入ってきたのは坂田だった。
「飛行機のチケットが取れました。」
「どこだ?」
「カンボジアです。」
カンボジアか。あそこは学校も少ないし年々、栄養失調で子供が死んでいる。
俺になにが出来るかって言われたらまだ分からない。でも、見て感じてなにか得られれば俺は充分だ。
「…今日、未来に会ってくる」
「えっ…まさか社長…!」
「違う。未来に別れを言ってくる。アイツは日本でパティシエをやるんだろ?俺はしばらく戻ってこない予定だし。」
「……本当にいいんですか?」
「いいもなにも、もう起こったことは覆せない。仕方ないんだよ、これは。」
そう、俺たちは双子。
その事実は変えられない。
そして、俺が未来を傷つけたことも変わりはない。
こんな俺なんて会いたくないはずなのに、会ってくれる自体感謝するべきなんだ。
アイツ…どんだけ優しいんだよ。
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