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荷物を整理し後は挨拶回りだけだ。といっても、ご近所さんと仕事場だけなんだけど。
ご近所さんは明日するとして…。
「お、やってるやってる。2人とももう、任せても大丈夫だな~。」
独り言を呟きながら近づくと、望ちゃんが気づいた。
「未来先輩!!」
望ちゃんは私を見るなり抱きついてきた。
「うわっ!…フフ。望ちゃん…今までありがとうね。」
私はそう言うと望ちゃんは腕に力を入れた。
「望ちゃん?」
「未来先輩!本当に行ってしまうんですか?」
顔を上げた望ちゃんは目に涙を浮かべていた。
「…うん。もう決めたから。」
「なんでですか!?未来先輩が行く理由なんて…」
「ううん。私はもう少し強くならないとダメなの。」
「今のままで充分じゃないですか!」
私は横に首を振った。
「………どうしても行くんですね?」
「うん。」
望ちゃんは少し考えるようにし、涙を拭いた。
「分かりました!私、未来先輩に負けないよう日本で精進します。だから先輩も頑張ってください!!」
後輩の心強い一言に私が涙出そうになった。
「…あ、湊くんは?」
「ふて腐れちゃって…。先輩が来るからしっかりしてよって言ったんですけどね…。」
望ちゃんは店のワゴンを見た。
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