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「湊くーん…?」
厨房を除くと、湊くんは黙々とスイーツを作っていた。
「あのー…」
「……………。」
…なにも言ってくれない。
しょうがない。独り言だと思って喋ろう。
「私ね、外国に行って修業してくるの。私の知り合いがね、いい場所を紹介してくれたんだ~。まだ、分からないけどね?」
湊くんは手を止めたがまだこっちを向かなかった。
「湊くん、あなたと望ちゃんを残して旅だつのは申し訳ないと思っている。でも、私は帰ってくる。」
湊くんはゆっくり振り向いた。
「……本当ですか?」
「もちろん!こ~んな可愛い後輩放っておけないでしょ?」
首を傾けて笑うと湊くんは少し表情を柔らかくした。
「望ちゃんと店をお願いね。」
「……はい、未来さんの場所は守ります。」
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