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 物心がつく前から、毎週日曜日は母と宗教勧誘に行く決まりだった。ただ、幼い私にとって神は、おもちゃをくれるサンタと同じ様なものだった。  ある程度、訪問が終わると、母はご褒美に、当時流行っていた携帯ゲームのソフトや、高価な洋服を買ってくれた。それらが、神が私に与えてくれた最大の送り物だった。  しかし、8歳になった年の夏に、私は生まれて初めて、神に対して疑問を抱いた。そして、疑問は晴らすどころかどんどん増えていき、私の元から神は去っていった。
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