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 私は19歳になろうとしていた。一人暮らしを始め、何度か宗教勧誘もされた。その時は決まって、母が何々という宗教に入っていると言うと、誰一人それ以上何も言わなくなるのだった。  私は、自分が母の一番の理解者だと思っている。母もあんなことがあり、私に無理をしてまで信仰を続けさせようとはしなかった。というより、母自身に説得力がなくなってしまったのが一番の原因だと思う。  そんな母が私には哀れで、母の前では善き娘であろうと務めたつもりだ。でも母だって、私が気を遣っているのに気づいていたと思う。お互いに相手がしてほしい気遣いができていた。母もまた、善き親であろうと務めてくれたのだ。  母が望んでいたこともあって、私は極力、男性と距離を置いた。女子高校、女子大学に行き、男性教師ともあまり口を利かないようにしていた。  そんな中、私は女子数人と飲みに行った時に、意識がなくなるほど酔ってしまい、気づいたら、朝になっていて、同い年くらいの知らない男子とホテルで寝ていた。  私はその男子を責めたが、私が手を握ったのがきっかけだと彼は言った。  一回くらいなんなんだと、現実を受け止めろと言い残して、彼は私の元から消えた。  それから、私は常に誰かに見られているような気がしてならなかった。それも、私の裸、体の中、心の奥底まで見透かされているような感覚だった。  あいつらが戻ってきたのだと思った。目に見えないあいつらが……
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